紳士服飾大辞典−イ(DICTIONARY_i_OONISHI)
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イージ・オーダー(easy order)
すでに決められたパタ−ン(型紙)が用意され、注文主のサイズ、デザインの好みにあてはめて作られる背広の仕立て方。注文服と既製服の中間に位置する存在といえるが既製服のニュアンスのほうに近い。


イージー・スーツ(easy suit)
アンコンストラクテッド・スーツのこと。非常にカジュアル・ライクで軽い感覚をもつところから、こう呼ばれる。


イタリアン・カラー(Italian collar)
シャツの衿腰なく、一枚裁ちの衿で、そのまま縫い目がなく、前立てにつながっている。


イタリアン・コンチネンタル(Italian continental)
コンチネンタル・モデルの中で特にイタリア調のものをさす言葉。カスタム・テーラーの多いイタリアだけに、テーラードで、ディテールに凝ったものが多い。


いちまつもよう(市松模様)
グランプリ・カー・レースのチェッカー・フラッグにみられる柄。四角いタイルのような形を2色入れ替えで配列した格子柄のこと。「元禄模様」(チェスボード・チェック)の別称がある。


イートン・ジャケット(Etonjacket)
イギリスの有名な学校「イートン・カレッジ」の制服として用いられる丈の短いジャケットのこと。ごくオーソドックスなオッド・ジャケットのウエストから下を切り落とした感じである。また制帽として用いられたものはイートン・キャップとよばれる。


イブニング・コート(evening coat)
燕尾服のこと。正確にはフォーマル・イブニング・コートである。


イヤーラウンド(year-round)
「一年中」の意味。つまりシーズンを問わず年間を通して着られることをいう。イヤーラウンド・スーツ、イヤーラウンド・ジャケットという具合に使う。


イリデッセント(iridescent)
「玉虫調」の意味。光の具合によってギラッと輝くような効果をもった生地のこともさす。コンテンポラリ・モデルの背広によく使われる。「虹色」の意味もある。


イン・アンド・アウター(in-and-outer)
裾が水平にカットされ、短いサイド・ベンツを特徴としたスポーツ・シャツの一種。多くは短袖のシャツ・スタイルでニットまたは織物で作られる。スラックスの外に出しても、中に入れても着られるところからこの名称がある。


イングリッシュ・ドレープ(English-drape)
1930年代から1940年代の初めにかけて、メンズ・ファッションの主流となった流行型である。最初ロンドンに生まれたそれは肩幅が広く胸にできるだけゆとり(ドレープ)をもたせ、袖山を大きく作って袖付け部分にくぼみが出来るほどの極端なボールド・ルックだった。最近のソフト・スーツに共通するラインもあるが、ゴージラインなど細部では異なっている。1920年代までの、スリムなシルエットに代わるそれは新鮮な感動を与え、その後の背広型に大きな影響を残した。


インター・カラー(inter color)
イギリス、アメリカ、フランスなど10数ヶ国で構成される「国際流行色委員会」から発表される国際的な流行色のこと。委員会は毎年2回パリで開かれ、およそ1年半先の流行色予測の討議を行う。会議の結果、決定された色を「インター・カラー」とするわけである。


インディア・マドラス(India madras)
インドのマドラス地方で出来る平織りコットン地にみられる、多色使いの不規則な大型の格子柄。この柄を織りやプリントで出したコットン地を「インディア・マドラス地」ともいう。この布地で作られた格子柄のないものを「ソリッド・マドラス」と呼ぶ。夏のスポーツ・ウエアー、特にアイビー調のウエアーに好んで使われる柄となっている。単に「マドラス・チェック」ともいう。


インディアン・ジュエリー(Indian Jewely)
アメリカン・インディアンの手作りになる装飾品をいう。青いターニッシュ・ストーンtarnish stone(加工して傷付けた)とシルパー・メタルを特徴としたもので、着飾り、ブレスレット、ゆぴ輪、ワイド・ベルト用の飾りバックルなど、精密な彫刻をほどこし骨董品的な味をもつ。インディアン・フォーク・アクセサリーともいう。


インディゴ(indigo)
藍からとれる青色染料または顔料。独特の深みをおびたブルーはインディゴ・ブルーと呼び、デニムの染色に多く使われる。これはジーンズの代名詞とされる色だが、もともとは虫除け用として染められたものである。また、ガラガラ蛇が嫌う色であるともいわれる。


インナー・ベルト(inner belt)
シャツがまくれ上がらないように、スラックスのウエスト・バンドの内側に付ける布帯。多少の伸縮性があり表面感がざらついている。また前記の機能のために、スラックスの中にしめるゴム・ベルトのこともさしていう。インサイド・ベルトの別名がある。


インパーテッド・ベント(inverted vent)
折り目を入れずに、たたみヒダにしたベント(馬乗り)のこと。インパーテッド・プリーツinverted plewtsともいう。


インバネス(inverness)
「トンビ」「二重まわし」と呼ばれる。一重になったケープのこと。内側は身頃だけで丈が長く、外側は全体をおおう形の、丈の短いもので構成されている。スコットランドのインパネス港に因んだ語源。日本では明治20年(1887年)前後、和装用の外套として考案された頃に流行し、その形状から「トンビ」の俗称が生まれた。


インフォーマル・ウエア(informal wear)
インフォーマルとは「公式でない」の意味。略礼服のことである。モーニング・コートイブニング・コートなど、もっとも正式なフォーマル・ウエアに対して用い、ブラック・スーツなどをさす。


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