紳士服飾大辞典−タ(DICTIONARY_ta_OONISHI)
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ダイイング(dyeing)
「染色」のこと。染料や顔料で繊維、織物、皮革などを着色することをいう。染色方法を大別すると「先染め=トップ・ダイ」と「後染め=ピース・ダイ」のふたつがある。前者は糸または綿の段階で染めるもの。後者は織物の段階で染めるものをいう。


タイ・クリップ(tie clip)
タイ・ホルダーの一種。バネ付きのクリップではさんで留めるもので、もっとも一般的なもの。ワニの口に似ているところから「ワニグチ」の別名がある。


タイ・ダイ(tie dye)
絞り染めのこと。個人でもできるところから、既製品を嫌う若者達に好まれ、とくにTシャツ、ジーンズでのそれは一種の反体制運動の象徴にもなったことがある。「タイ・ダイド・ルック」の名で呼ばれた。


ダイヤゴナル(diagonal)
斜め45度の角度をもつ、畝の出た綾織柄。変形として、畝が2本の線をグル−プとして構成された「ダイヤゴナルズ」、ストライプをのせた「ブロ−クン・ダイヤゴナルズ」、がある。


ダ−ツ(dart)
「縫い込み」のこと。背広の前ダ−ツ、などと使う。これを取る事によってジャケットのシルエットが変化してくる。ダ−ツのない背広としては、アイビ−調のそれがあげられる。


タック(tuck)
「ヒダ」のこと。スラックスのウエスト・バンド下部によく見られ、これのないものを「ノータック・スラックス」一本のものを「ワンタック・スラックス」などと使われる。


タッブ(tab)
衣服に用いられる「持ち出し」のこと。実用、装飾用として使われる。カントリー調のジャケットの左上衿、タッブ・カラーのシャツに見られるもの。パイルなしのテリー・クロスの一種の名称でもある。


タップ・カラー(tab collar)
シャツの衿に小型のタップ持ち出しが付けられ、それをネクタイの下で留め合わすもの。この場合のネクタイのノットは小さめにしなければならない。


ダッフル・コ−ト(duffle coat)
代表的な防寒コ−トの一種。フ−ドが身頃からつながり、ダブル・ブレステッドのまえ合わせがトッグル(浮子型の木片)をロ−プで止める形になった比較的ショ−ト・レングスのコ−トである。もともと、ベルギ−はアントワ−プ付近の都市「ダッフル」で織られている「ダッフル・クロ−ス」と呼ばれる厚手の毛織地で仕立てられた北欧の漁夫用コ−トであったが、第二次世界大戦中、イギリス海軍が北海警備の勤務用に採用したところから急速に一般化した。現在ではダッフル・クロ−スを使う事はほとんどなく、メルトンなどの厚手の生地を使っており、スポ−ティで機能的なところがうけている。


ダービー・ハット(derby hat)
山高帽子のこと。フェルトで作られ、丸型のクラウンが特徴。イギリスでは俗に「タブ・クロージャー(tab closure)
「タブを用いて締めるもの」という意味で、持ち出しの付いたベルトレス・スラックスなど、そうしたものの総称である。


タフタ(taffeta)
なめらかな感触のある平織り地。薄コハクなどともいう。使う素材によってシルク・タフタ、ナイロン・タフタなどの名称がある。


ダブル・ブレステッド(double breasted)
ジャケット・コ−トなどの打ち合わせがダブルになっているものの総称、またはそうしたスタイル。一般に「両前」と言う。この場合の襟型はピ−クド・ラベルが使われ、フロント・カットは水平になるのが常識とされる。BR>


タ−ンナップ(turnup)
スラックスの裾の折り返しのこと。主にイギリスで使われる言葉。タ−ンナップが付くようになったのは20世紀のはじめのことで、最初は特に、タ−ンナップ・トラウザ−の呼び方がされた。それまでは、すべてシングル仕立てとされていたのが普通で、あるダンディが雨に濡れるのをおそれて裾を折り返したことに始まるといわれている。


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