紳士服飾大辞典−ウ(DICTIONARY_u_OONISHI)
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ウイ−クエンド・ス−ツ(weekend suit)
週末(ウィクエンド)に着られることを目的としたス−ツの総称。レジャ−・ライフにマッチするよう、スボ−ティでくつろいだ感覚が特徴。週休二日制の本格的な時代を迎え、大いに用途が期待されるス−ツ・アイテムである。


ウィッグ(wig)
「かつら」のこと。18世紀を中心として男性の間にも装飾的なかつらが多く用いられたが、現在のそれは実用的な面が多い。


ウィップ・コ−ド(whip cord)
畝変りの綾繊維をいう。畝幅はごく狭いものから3mm位までの種類がある。また、これをコットン、シルク、合成繊維などと混紡したものは、カ−バイトcovertと呼ばれ、日本では俗にカルゼkerseyという。


ウイング・カラー(wing collar)
礼服に使われる。全体が立って、衿先だけが折り返っているもの。立ち衿ともいい、アスコットなどを付けるのに適している。


ウイング・チップ(wing tip)
靴のチップ(爪先)に、打抜き飾りや縫い目飾りで翼の形を出したもの。俗称「おかめ」といい、トラディショナル調の服装に合う靴飾りとして欠かすことができない


ウインザー(Windsor)
プリンス・オブ・ウェールズ・エドワード8世のことで、1920年代から1940年代のファッションに大きな影響を与えた人物として知られる。ウインザー卿が一般化させたものにはタッブ・カラー、タイ・スナップ、ブリム・ハット、ウインザー・ノット・タイ、ブラウンのバックスキン・シューズ、フェア・アイル・セーターなど多岐にわたっている。


ウインザー・カラー(Windsor collar)
シャツの衿型の一種で、ワイド・スプレッド・カラーの別称。ウインザー卿によってよく着られたことからこの名称がある。


ウインザー・ノット(windsor knot)
ネクタイの結び方の一種。ノット結び目がもっとも大きくなる方法。プレーン・ノットに比べて、輪を両側に2個つくって結ぶところから、この独特の型が出来る。ウインザー公が好んで用いたところからこの名称が生まれたという。ワイド・スプレッド・カラーと同じである。


ウインド・ブレーカー(windbreaker)
「防風衣」のこと。野球その他のスポーツ選手がユニホームの上にはおるジャンパー・タイプのジャケットのこと。またゴルフ場などで風雨をさけるためにも使われる。目のつんだナイロン、コットンなどが素材に使われ、衿と袖口にはニットをあしらって機能性第一に考えられたものが多い。


ウインドーペーン(windowpane)
窓わく格子のこと。西洋のそれに見られるタテに長い長方形の連続模様である。クラシック・パターンのひとつ。


ウエスタン・ジャケット(western jacket)
スエードで作られ、長いフリンジ(房飾り)を特徴とするジャケットのこと。よくアメリカ西部のカーボーイたちに着られるもの。


ウエスタン・シャツ(western shirt)
アメリカ西部でカーボーイたちによく着られたシャツ。ファンシーなディテール・デザインを特徴とし、たとえば山型のヨーク、切り替えを変えたカフス、W型のボケット・フラップなどが見られ、厚手の生地が用いられる。ドット・ボタン(鋲状の打ちつけボタン)をアクセントにしている。


ウエスタン・ブーツ(western boots)
アメリカ西部の服装に見られるロング・ブーツのこと。独特の装飾をほどこし、乗馬用の機能も十分に考えられている。カウボーイ・ブーツともいう。


ウエスト・バンド(waist band)
スラックスのウエスト部分に付けられた共地の部分。帯付き、切り替えしともいう。


ウエッジ・ヒール(wedge heel)
くさび型のヒール(かかと)で、土踏まずの部分がないのが特徴。


ウエリントン・ブーツ(Wellington boots)
膝上までの深さのある、柔らかなレザー・ブーツ。半分の深さのものはハーフ・ウエリントンと呼ばれる。ファッションに影響を与えた人物として有名な、ウエリントン公爵1世(1769−1852年)に因んだもの。


ウエルテッド・ポケット(welted pocket)
へり飾りの当て布を付けたポケットのこと。背広の胸ポケットがこれにあたる。ウエルトとは「へり飾り」のこと。ウエルト・ポケット、箱ポケットともいう。


ウォーキング・ショーツ(walking shorts)
膝上までの長さのショート・パンツ。散歩用に適しているためこの名前で呼ばれる。


ウォーキング・スーツ(walking suit)
散歩用として19世紀に主にイギリスで着られたスーツのこと。原形は、ウエストが細くつまり、モモくらいまでの丈があり衿元が詰まった形となっている。


ウォーキング・フロック・スーツ(walking frock suit)
1900年代に流行したスーツのひとつで、おおむね3個ボタンとしたカッターウェー・コート(モーニング)に共地のウエストコートと脚にぴったりフィットしたトラウザーズを合わせたスタイルになっている。


ウォーター・プルーフ(water proof)
「防水」の意味。防水加工したものの総称。加工の方法によって「耐水」「撥水」「疎水」などの種類がある。なかでもスコッチ・ガードは有名で、これはアメリカの3M社の特許である。


ウォッシュド・アウト・ジーンズ(washed-out jeans)
ウォッシュド・アウトは「洗いざらしの、色のさめた」の意味。インディゴ・ブルーを5回ほど水洗いした感じのジーンズをいう。ブリーチド・ジーンズとインディゴ・ブルーの中間の感覚を狙って作られたもの。フェイド・アウト・ジーンズと同義。


ウォー・ルック(war look)
ウォーとはもちろん「戦争」の意味。広く戦争時、軍服に見られる服装の事だが、これを一般の人がカジュアルに着こなすところに面白味がある。アーミー・ルックと同義。


ウォール・ペーパー・パーターン(wall paper pattern)
ウォール・ペーパーとは「壁紙」のこと。クラシックな壁紙に見られるような「唐草模様風」「ゴブラン織風」「エッチング画風」の模様を総称していう。


ウーステッド(worsted)
「梳毛」のこと。梳毛糸(ウーステッド・ヤーン)で織った織物の総称。原毛の段階で梳られた長くて細い、なめらかな感触をもつ糸(長繊維)で織られている。ビジネス・スーツのもっとも一般的な生地である。ウーステッドという名称はイギリス・ノーホーク地方の町の名前に因んでいる。特徴としては、織目がはっきり出ること、腰が強くてシワに為りにくいこと、張りがあることである。


ウーステッド・ファブリック(worsted fabric)
ウーステッドを原料とする織物の総称。織り、柄の変化が多く、丈夫でカチッとしているところからドレスアップ感覚、シティの雰囲気にマッチしてもっとも使い道の広いメンズ素材とされている。使われる色糸の数によって3つ杢(もく)、4つ杢ウ−ステッドと呼ばれたり、起毛することによってミドル・ウーステッド、織りの状態によってマット・ウーステッド、毛羽を残したアン・フィニッシュド・ウーステッドなど変化と種類も多い。


ウーステッド・フラノ(worsted flannel)
ウーステッドを原料に作られたフラノのこと。フラノは紡毛から作られるので、特にこの名称で呼ばれる。「フラノ」ともいうことがある。


うちぬきボタン(打ち抜きボタン)
フライ・フロント(比翼)に対して、ボタンを外側まで出す仕立ての方法。背広上着のボタンは、ほとんどがこの方法になっている。


うねおり(畝織り)
畝(コードまたはリブ)を特徴とする織物の総称。畝の大きさや角度などによって様々なものがある。ダイヤゴナルコーデュロイコットン・コードなどが代表的。


ウール・タイ(wool tie)
ウールを素材としたネクタイの総称。ネクタイの素材の多くはシルクやシルクと合成繊維の混紡を錫増量加工して使われ、主にビジネス向きとされるが、カジュアルな雰囲気を出すにはウール・タイが最適である。カントリー・ライクな服装にはツイードなどのネクタイが多く使われる。また薄手タイプのそれも数多い。


ウレタン・フォーム(uretan form)
合成繊維の一種であるポリウレタンを泡状に形成した綿状のもの。弾力性、保温性に富み、背広の芯地、コートの裏地などに使われる。


ウーレン・ファブリック(woolen fabric)
ウーレンとは「紡毛」のこと。原毛段階で梳られた時、機械に落とされた太く短い、ケバだった糸(短繊維)で織られたものをウーレン(紡毛)と呼んでいる。ウーレン・ファブリックはこうした紡毛を原料に作られた織物の総称である。ザックリしたラフな感覚でスポーティー、またカントリー・ライクな衣服の材料とされている。代表的なものにツイードフラノがある。


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