紳士服飾大辞典−カ(DICTIONARY_ka_OONISHI)
インデックス

海外ブランド(kaigaibrand)
外国のデザイナーや業者と提携して、国内で売られている衣料品の俗称。提携の形にはさまざまなものがあり、技術の供与を受けるもの、デザインを引き継ぐものなどのほかにネーミングだけを借用するものもある。ライセンス契約を交わすところから「ライセンス商品、ライセンス・ブランド」などの言葉もある。


ガウチョ・シャツ(gaucho shirt)
ニットまたは織物で作られ、ブラケットを4つのループでボタン留めとした、衿付きのプルオーバー型スポーツ・シャツ1930年代に流行したもの。南米アルゼンチンに住むカウボーイ「ガウチョ」が着ていたものである。


ガウチョ・ハット(gaucho hat)
南アメリカのパンパス(草原地帯)に住むスペイン人とインディアンの混血のカウボーイを「ガウチョ」といい、彼らのかぶっている帽子をガウチョ・ハットと呼ぶ。テンガロン・ハットとソンブレロを一緒にしたような形をしている。南アメリカのなかでも特にアルゼンチンのそれをさしている。


カウボーイ・ハット(cowboy hat)
アメリカ西部のカウボーイが愛用する帽子。ツバが広く、クラウン(山)のてっぺんに折りめがつけられたもの。テンガロン・ハットともいい「トール・テキサン(背の高いテキサス人)」の象徴とされている。他にウエスタン・ハットwesten hatの通称もある。


カウボーイ・ブーツ(cowboy boots)
アメリカ西部のカウボーイがはく、独特の装飾を特徴としたロング・ブーツ。革製で、高いテーパード・ヒール(下部へ向ってほっそりした)が付き、はき口はスリットがとられ広がっている。高いヒールはあぶみ(馬具のひとつ)の機能を考えてデザインされている。爪先は
ポインテッド・トウ型が主である。


カーキ(khaki)
カーキ色(茶褐色、黄褐色)。インドのヒンズー語では「ほこり」を意味するところから生まれた名称。カーキ色のツイルなどで作られた、軍服やスポーツ・ウエアをいうこともある。また「カーキ・ルック」といえば
アーミー・ルックの別称となる。


カー・コート(car coat)
自動車用のコートというわけだが、それを含めて多用途に着られる
フィンガー・チップ・レングスまでのコットン・ギャパジン、コットン・ポプリン・レザーなど軽快な感じの素材で作られた


カ−ゴ・パンツ(cargo pant)
カ−ゴとは貨物船のこと。つまり貨物船の乗組員がはいていたような丈夫なスラックスのことで、厚手コットン地でつくられている。両脇に大型のアコ−ディオン・ポケットが貼り付けられているのが最大の特徴。


ガシット(gusset)
スリット・ポケットや手袋などに補強のため付けられる三角形の当て布のこと。


カシミア(cashmere)
インド・カシミ−ル地方産の山羊毛、またはこれを原料とした織物のこと。しかし現在ではカシミアのように柔らかいウ−ルで織られた生地もこの地方の名称で呼んでいる。綾織りで美しく柔らかなタッチが特徴となっている。


カシミア・ドスキン(cashmere doeskin)
カシミア、またはカシミア調の柔らかいウール地を
ドスキン織りに仕上げたもの。礼装用の服に多く用いられるように、上品な感覚にあふれている。


カジュアル()
本来は「偶然の、思いがけない」「不用意の、でたらめな」などの意味をもつ言葉であるが、ファッション用語として使う場合には「気楽な、手軽な、何気ない」といった意味を現す。つまりリラックスした服のすべて、またそのような感じを取り入れた服などについて使われる。


カジュアル・ウエア(casual wear)
カジュアル(気軽な、くつろいだ、日常的な)な感覚を持った衣服の総称。プライベートな場に着るスポーツ・ウエアに限定されがちだが、現在はフォーマル・ウエアにもビジネス・ウエアにもカジュアルな感覚が要求されている。最近はカジュアル・デイの普及でビジネス・ウエアの一つのフォームとして確立されてきた。


カジュアル・デイ(casual day)
1990年代のバブル崩壊のあと、行政改革、規制緩和の一環として、官公庁の主導のもと、週末にオフィスでカジュアルな服装で仕事をする日が設定された。


カジュアル・シューズ(casual shoes)
カジュアル・ウエアに合わせる靴の総称。素材、色柄、デザインともに変化が多い。


カスケット(casquette)仏
フランス語で
ハンティング・キャップをいう。しかし日本ではハギ(接ぎ)が多くて、てっぺんにボンボンを付けたものをさすことが多い。本来は女性用である。


カスタム・テ−ラ−(custom tailor)
「注文紳士服店」のこと。カスタムは「特別の」、テ−ラ−が「仕立て」を意味している。
ビスポ−ク・テ−ラ−


カスタム・メード(custom-made)
「注文仕立て」の意味で各人の寸法を測って特別に作られた服、また靴に使う言葉。「注文服・注文靴」の総称である。注文服については別にカスタム・テーラードの用語もある


がーズマン・コート(gardsman coat)
ガーズマンとはここでは「イギリス陸軍の衛兵」のことを言う。彼らが着用していたコートのことで、ダブル・ブレステッド、長い丈ベルト付きを特徴としたもの。軍服だけに、一般のダブル・ブレステッド型のコートに比べて裾のまわりが大きく、バックのセンターに内ヒダがとられ、大型の袴がつけられている。"ガーズ・コート"の別称もある。


ガーター・シャツ(kurtah shirt)
カフタンに似たゆるやかなシルエットのプル・オーバー・シャツ。本来、回教徒の男女が着たシャツまたはブラウスのことをいう。多くは薄手コットン地で作られ、衿なし、両脇裾にスリットがある。インド北方の住民が着ていたが、1970年前後から若者のサマー・ファッションになった


ガーター・レングス(garter length)
靴下の一種でふくらはぎまでの長さソックスをいう。ガーターとは靴下留めのことで、以前はこれを使って靴下を吊るしたものだが、現在またクラシック好みの連中の間では、復活しているという。この種の靴下にはミド・カーフ・レングス、フル・レングスの呼び名もある。


カタログ・セリング(catalog selling)
カタログを見て注文し、商品を発送する販売システム。こうした実質的な意味を離れて、現在はカタログ・ブームを巻き起こし、カタログ・ジョイ、カタログ・フリークなどの言葉を生んでいる。ともにカタログを集めて、それを眺めて楽しむ人のことである。


カッターウエー(cutaway)
モーニング・コートのアメリカでの俗称である。前裾が大きくカッターウエー(切り落とす)されているところから、こう呼ばれている。


カッタ−ウエ−・フロント(cutaway front)
モ−ニング・コ−トの前裾のように、大きくカッタ−ウエ−(切り落とす)されたデザインのこと。またこれほど極端でなくても、大き目にカットされた前裾のことをいう場合もある。


カット・アンド・ソウン(cut and sew-n)
ニット製品に使われる言葉で編地(ニッテッド・ファブリック)をカット(裁断)してソウン(縫製)したものの総称である。これに完型品がある。ニット、シャツ、Tシャツなどの多くはカット・アンド・ソウン製品である。


カット・オフ(cut-off)
スラックスなどの裾口を切りっぱなしにすることをいう。カット・オフ・ジーンズといえば、ジーンズをもものあたりで無造作に切り離して、ショート・パンツとしてはくものを意味する。


カ−ディガン(cardigan)
セ−タ−の一種。多くは衿なしでオ−プン・フロント・ボタン留めとしたスタイルが特徴である。ボタンの位置によってハイ・ボタン・カ−ディガンまたロ−・ボタン・カ−ディガンの変化がある。またこの型に似たジャケットを「カ−ディガン・ジャケット」と呼ぶことがある。クリミア戦争で有名なカ−ディガン伯爵に由来する。


カ−ディガン・ス−ツ(cardigan suit)
カ−ディガン型の衿なしジャケットを組み合わせたス−ツのこと。小学生などの学生服に見られるほか、
ノン・ス−ツの一種ともいえる。


カデット(cadet)
手袋の一種で指先が短いタイプのもの。


カナディアン・シャツ(canadian shirt)
大きな格子柄を特徴としたオープン・カラー、両胸にポケットがつけられたスポーツ・シャツ。多くは厚手のウール地で作られる。着こなし方はアウター・ウエアとして用いるのが一般的だが、裾をスラックスの中に入れるのがファッションとなっている。カナダのきこりたちに着られたことからこの名称がある。また、"ランバー・ジャック・シャツ lumberja-ck shirt"の名称もある


カバー・オール(cover all)
つなぎ型の服の中でも特に袖付きの上着とズボンがいっしょになったタイプをいう。自動車修理工などのユニフォームによくみられるもの。イギリスでは"カバーロールズ coveralls"と呼ばれる。通常の服の上にすっぽりかぶってしまうことからこの名がある。上着部分が前かけ型になるものを、特に"オーバーオールズ overalls"の名称を呼ぶ。


カバート(covert)
霜降り調の綾織り地、またしゅす織りのこともある。コート用に多く使われる。ウィップ・コード。


カバナ・セット(cabana set)
ビーチ・ウエアの一種。半袖スポーツ・シャツとスゥイム・トランクスを共地、共柄でそろえた一式のこと。明るく派手なプリント(ハワイアン・プリント、タヒチアン・プリントなど)が使われることが多い。海辺のしゃれたリゾート・ウエアである。


カフ(cuff)
「袖口」の総称。ドレス・シャツのカフスにはシングル・カフス、ダブル・カフス(フレンチ・カフス)、コンバーチブル・カフスの種類がある。またアメリカではスラックスの裾口をカフスと呼ぶこともある。


カーフ・スキン(calf skin)
子牛の革のこと。カーフは生後十ヶ月ほどの子牛の革を使用するため、しなやかで美しく、衣料、ハンドバック、靴の甲革、ベルトなどに使われることが多い。上等の部類に属する。これより若い子牛の革で、ごく柔らかな感触のものに"ベビー・カフー"がある。


ガ−メント(garment)
「衣服」の総称。複数で用いられると「服装全般」を意味する。
アパレルギアクロ−スコスチュ−ム


カンガルー・ポケット(kangaroo pocket)
スポーツ・ウエアの前身頃中央に付いた大型のパッチ・ポケット。カンガルーの腹袋を連想させるので、この呼び名がある。アノラックヨット・パーカーに見ることができる。


ガン・パッチ(gun patch)
肩から胸にかけて付けられる当て布、
ハンティング・ジャケットシュ−ティング・ジャケットに見られるほか、カントリ−ライクなジャケットのアクセントとして用いられる。もともと銃を肩に支えるように付けられていたデザイン。エルボ−・パッチと同じく革製のものが多い。「ガン・フラップ」の別名。


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